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» vol20. 制度正常化期成同盟が発足

 社労研が計画した開業者全国大会は50年10月6日、東京・大井の品川文化会館で開かれた。当初、開業者のうち両団体に加入していない、いわゆる”一匹狼”社労士に呼びかけることを考えその名簿入手をはかったが、免許取得後の開業届が各都道府県労働基準局と同保険課に提出されている関係から短期間での入手は不可能だった。
 そこで社労研は、全国大会開催の趣意書を両団体の開業者会員の中から抽出した5,100人に対して送付した。送付日は9月13日、各地から多くの賛同、激励の返信が届いた。全国大会には参加ができないが頑張って欲しいと地の利の悪さを訴えるものが多かったが、同封したアンケート回答は2,902人(回答率57%)に達し、反響は大きかった。
 全国大会は16日開かれ、出席者は百数十人だった。当日は台風の影響で新幹線が乱れたとはいえ、大会事務局が予想していた300〜500人の線には達せず、我々をがっかりさせた。しかし、大会そのものは少数とはいえ熱い討議があったのである。
 返信されたアンケート回答の数からみて事務局の予想した数をはるかに下回ったのは台風の影響もさることながら次のような事情があったのである。
 事務局は前述の趣意書を発送する際、事前に両団体及び両省庁に同趣意書を提出して諒解を求めた。両団体とも「趣旨には基本的に賛成」と意思を表明、社労連は「開業者大会の趣旨は正しい。会員が個人の資格で参加することに、会として異論をはさむ余地はないし、大会の趣旨は本会の基本理念に合致する。積極的な協力はさし控えたいが当面は静観したい」(坂井専務理事)といっていた、にもかかわらず、両団体は全国大会に両会所属会員の出席は好ましくない旨の通達を両団体連名で各都道府県会長、支部長に出されていたのである。

 

 では役所はどうみていたか。「趣旨について異議はないが、対外的に新たな団体結成、三団体鼎立といった誤解を招くおそれもあり大会関係者の慎重な行動を望みたい」(両省庁)としていた。
 社労研の大会開催の真意は、別団体づくりや独自の行動は一切予定せず、開業者にとって切実な問題である両団体の統合と法改正のため、両団体による1日も早い法改正案の調整と一本化への合意を促進することが本大会の目的であった。
 全国大会は次のような大会宣言を万場一致で採択した。
 「本大会を契機に正常な発展を阻害する原因を除去し、もって開業社労士の権威を高め社会的、経済的地位の向上と確立をはかるため、社労士制度正常化期成同盟を結成する」である
 同盟の運動目的は、社労士業の発展をはかるため法改正運動を強力に推進し、労働・社会保険両省庁共管による真の全国統一団体の結成を促進する。さらに開業社労士の日常生活を活発かつ円滑にするため必要な対策を進め、経営基盤の確立をはかる  の三点であった。
さらに期成同盟は10月22日、倉品宝重議長名で両団体あてに「団体統一に関する申し入れ」を行った。これには「社労士業を行うものにとって、その経営基盤の確立に苦心と努力を重ねているにもかかわらず、実情は低調と混迷にあえいでいる」ことを訴え、「改善が諸種の事情によるよりも社労士制度の改善にまたなければならない」とし、両団体が意図する法改正運動には深い関心と期待を寄せているが「法改正の実現には統一された社労士団体なくして解決されない問題である」と指摘している。
 法改正を行うには、統一団体の実現が先決であり、だからこそ、速やかに関係団体や主務官庁と協議のうえ、団体統一により社労士制度の発展に努力しなさいということである。過去、何度も団体統合の動きはあったものの、実現にはほど遠く、団体幹部のエゴ、非常識な行動を内部から、また外部からみていやというほど苦々しい思いを味わされた開業者と元幹部たちが、その所属していた団体を離れ、初めて第三者の立場に立って団体統合を側面から促進しようとした期成同盟の考え方は、全国の開業者から支持されたと思っている。

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