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ヒストリーof社労士

» vol5. 社労士7万人が誕生

さて、社会保険労務士となるには、弁護士及び法施行日時点で6ヶ月以上行政書士会に入会している行政書士は別として、年1回実施される国家試験に合格しなければならない。
 ところで、新しい法律ができると、とくに身分法の場合、既得権を救済・保護する意味から、必ず経過措置が講ぜられる。社労士の場合も御多分に洩れず、立法以前に労務管理士や社会保険士などを”業”として営んでいた人たちに対する救済が、どのような形や範囲で行われるかが、関係者の間の最大の関心事であった。
 社労士法附則第4項に「法施行の際、次の各号の一に該当する者で主務大臣が行う選考により社会保険労務士としての知識及び能力を有すると認められた者は第3条の規定(試験合格者等)にかかわらず社会保険労務士となる資格を有する」とあり、関係諸団体が目のいろを変えて知りたかったのがこの選考基準であった。
 とくに、立法以前に開業実績が6ヶ月以上あれば選考で資格を与えるという意向が示されてからは、その開業証明の発行について諸団体の政治的折衝が活発化し、なかには「当会会員には特典あり」的な悪質な会員拡張策が多くの人を惑わせたものである。
 同法で特例が認められた行政書士は、「法施行の際、引き続き6ヶ月以上行政書士会に入会している者は社会保険労務士となれる」ことから、各地の行政書士会には税理士などの行政書士有資格者が「6ヶ月以上の入会歴を持とう」と続々入会をおこなった。
 昭和44年6月8日、全国10ヶ所の考査場で資格選考考査が行われた。資格選考申請者は全国で74,528人、このうち無考査で資格を得た者40,936人、考査組は33,151人であった。

 

 

ところで、先の日管連の結成や日行連指導による都道府県社労士会結成など、社労士業界が改めて大同団結に向けて始動しはじめたころ、労務管理士協会は新社労士団体の基本構想を発表した。
それによると、 

  1. 組織は全国1団体とする。
  2. 会員構成は社労士有資格者を正会員とし、他に会員制度を設けて労働・社会保険の理論および実務を研究しようとする者の参加を認める。
  3. 団体は社団法人「社会保険労務士会」とし、社労士の指導および育成の事業を行うことを目的とする。

 以上がその骨子であった。

これに対し社会保険士会は6月に行われた通常総会で「社労士法の改正運動を推進する」という事業計画を決め、協会の団体構想に対抗した。その骨子は、団体の設立、会員の登録などに関する条項を盛り込む法改正を政府に求めるというものであった。
 もうひとつ、無考査で資格を得た行政書士を擁する日行連傘下の都道府県会は、それぞれ「社会保険労務士会」の設立準備を着々と進めた。ここで注目されるのは、都道府県社労士会設立準備会としていることである。これは日行連の方針として「将来の団体統一に備えて他の関係団体との摩擦はできるだけ避けよう」との配慮によるものであった。
 このように、労務管理士協会、社会保険士会、日行連が三者三様の動きを活発化させたのは、法施行に伴い近い将来必ず団体一本化問題が表面化するという前提に立ち、いわゆる”本家”を自認する団体が、それぞれイニシアティブをとろうという狙いがあったといってよいだろう。

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