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vol11.
調整できず再び中断  
   ついに暗礁に乗り上げた両団体協議会は46年1月18日、次の申し合わせ書を発表して"一時中断"としたのである。

申し合わせ書

  社会保険労務士法施行以来2年を越え、多数の社会保険労務士が誕生した現在、その指導・育成は喫緊の急務というべきであり、これに応える全国一本の社会保険労務士に関する団体の設立が強く望まれるところである。
 このようなことから、社団法人日本労務管理士協会及び社団法人日本社会保険士会は一昨年以来、両団体の合併について話し合いを重ねてきたが、諸般の事情からその解決は将来に託さざるを得ず一時中断のやむなきに至った。
 この結果、当面全国一本の社会保険労務士に関する団体の設立は困難になったものと認められるが、今後とも両団体は協調体制を密にし、社会保険労務士制度の円滑な運営に資するため、次の事項を申し合わせる。

1 両団体は公益法人としての責務を充分認識し、常に社会保険労務士の資質の向上のため、事業の実施に当たること。
2 事業計画及び実施に当たっては、相互に密接に連絡し、同一内容の事業についてはつとめて共同して行うこと。
3 両団体は、今後とも定例的に会合を持つ等の方法により、単に中央のみならず地方段階においても意思の疎通の確保に配慮すること。
4 両団体は中央・地方を通じ主務官庁との連絡を密にし、制度の円滑な運営に努力すること。

  以上のとおり申し合わせます。

昭和46年1月18日

社団法人日本労務管理士協会を代表して
三浦万亀男
社団法人日本社会保険士会を代表して
笠井勝三郎


 
 
  
   これと同時に労働省、社会保険庁間にも覚書が取り交わされた。主題は「社会保険労務士及び社会保険労務士関係団体の指導について」である。
1 両省庁は、関係団体の統合推進等に今後とも鋭意努力する。
2 中央・地方それぞれの段階において関係部局の連絡会を設け、社会保険労務士に関する団体指導が統一的に行えるよう指導体制の確立と、指導方針の徹底に努力する。
3 両団体については、今後とも必要な指導を行うとともに、両団体間の協議会は共同事業の実施等のための機関として引き続き存続させる。
4 地方(出先)機関は、関係団体を指導するに当たり、相互に連絡を蜜にし講習会、研究会等が統一的、効率的に行われるよう配慮する。
5 両省庁は第一線出先機関の社会保険労務士に対する取り扱いに不均衡、不公平が生じないよう配慮する。
6 社会保険労務士に関する公益法人の認可はなお当分のあいだこれを認めない。

 以上がその骨子で労働省社会保険労務士制度管理室長大塚明良、社会保険庁長官官房総務課長出原孝夫の署名がなされた。
 団体間の申し合わせ書にしても、両省庁間の覚書にしても、両団体の合併は体質的にもムリだとの判断が働いたさまが読み取れる。
 私も当時、保険士会の理事としてつぶさにみてきたが、しばらくは現状のまま二団体で進めるとして、協議会は共同事業実施のための期間として残そうという考え方は、当時の情勢からみてやむを得ない措置だったと現在でも思っている。