| 近ごろ、「社員の問題行動」に手を焼く経営者や管理者が増えてきている感があります。先日、これに関連するテーマで行われた某教育機関主催の企業向けセミナーで、講師を担当しましたが、当初の予想を上回る多数の企業関係者が出席し、このテーマに対する関心の高さを改めて認識することができました。
従来、この領域に関するトラブルは、民事法的な側面が強いことから、どちらかというと弁護士の守備範囲であり、社会保険労務士が前面に出てくることは少なかったのではないでしょうか。しかし、特定社会保険労務士制度が稼動してくれば、広く個別労働関係におけるトラブルについて相談が持ち込まれることが想定されますので、今からそれに備える必要があると考えます。
この問題を法的観点から捉える場合には、一にも二にも「労働契約上の労働者の義務」という原点を押さえて、そこから「就業規則」・「懲戒処分」・「解雇」等の個々のテーマにつなげていくことが必要です。きちんとした法的根拠が示せないと、論理的な説得力を欠き、実効性のある紛争の予防・解決につながらないでしょう。「常識」とか「マナー」といった言葉に頼る時代ではないのです。
言うまでもなく、労働契約により労働者が負っている基本的な義務は、使用者に対する労務提供義務です。正当な理由のない欠勤・遅刻は、この労務提供義務に違反する行為であると評価できます。では、休日に労働者が、他の会社でアルバイトをするのは、どうでしょうか。休日の行動ですから、労務提供義務違反と断言することはできません。次回は、この「休日におけるアルバイト」をテーマに具体的な検討を行うことにします。
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