| 今回は、高齢者雇用を考えるうえで避けて通ることができない「定年制」について、日頃感じていることを述べさせていただきます。
前回も一言触れましたが、定年制というのは、見様によっては奇異な制度です。私は、これから新たに設立される会社においては、定年制のない(いわゆるエイジ・フリー)雇用システムが市民権を得てくるのではないかと考えています。
このエイジ・フリーのシステムを構築していく場合、「退職金をどうするのか」という点について、検討する必要があります。たしかに、勤続年数を退職金額算定の際の要素とする制度設計の場合ですと、エイジ・フリーの制度は、退職金の高騰につながるというリスクを伴います。しかし、そもそも退職金制度を設けるか否かは、企業の判断に委ねられており、その制度設計についても、企業側の広範な裁量の下にあります。退職金を制度化するという判断に立った場合でも、勤続年数を重視しない制度設計を行うことにより、リスクを抑えるという方法が可能です。
では、定年制のある既存の企業、特に65歳未満の定年制を設けている企業については、どう考えるべきでしょうか。経営者の中には、「法律が改正されたので、とりあえず最小限の制度の見直しをせざるを得ない」という消極的な考えの方が少なくないと思われます。このような考え方からは、選考基準付の再雇用制度に落ち着くでしょう。しかし、この制度は手続面で一定の負担が伴いますし、その運用を一つ誤れば、従業員の不信感につながりかねません。
今回の法改正を「人事制度改革の大義名分」と積極的に捉え、退職金等の諸制度の見直しと抱き合わせで、「65歳までの定年延長」・「定年制の廃止」を一度真剣に検討してみたらどうかと考えます。
▲ページのTopへ |