| この4月1日から、改正高齢者雇用安定法が施行され、65歳未満の定年を定めている事業主に対し、高年齢者雇用確保措置が義務付けられました。6月9日の厚生労働省発表「改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置の導入状況について」によれば、従業員数300人以上の企業のうち、95.6%が高年齢者雇用確保措置を導入済みとのことです。導入の形態は「継続雇用制度の導入」が圧倒的に多く(93.2%)、継続雇用制度導入企業のうち希望者全員の継続雇用を認めるのは少数派(20.4%)にとどまるなど、ほぼ常識的な結果だと思いますが、皆様はいかがでしょうか。
では、従業員数300人未満の中小企業についてはどうかというと、まだ、厚生労働省による状況把握の段階であり、統計が公表されるのは、かなり先のことになりそうです。私の感触では、中小企業のうち比較的新しい企業では高齢者予備軍(いわゆる団塊の世代)がほとんど在籍しておらず、関心が極めて低いように思われます。これに対し、歴史のある企業では従業員の平均年齢が高かったり、年功的な賃金制度を引きずっていることが多いため、賃金制度の改革とセットにして高齢者雇用問題に本格的に取り組まざるを得ないのではないでしょうか。
そもそもこの高齢者雇用問題の出発点は、定年制というシステムにあると考えます。日本の雇用社会の中で育ってきた私たちは、定年制を当然のものと考える傾向にありますが、これは見ようによっては、奇異なシステムです。法的観点から素朴に考えると、単に年齢のみを理由に雇用機会を制限するのは、合理性に欠ける不当な差別であり、法の下の平等を掲げる憲法14条1項の趣旨に反するのではないでしょうか。
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