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 vol18. 「労働契約法」についてC

 最終回となる今回は、人事異動の一つの類型である「出向(在籍出向)」について、考えてみることにします。

 出向については、民法625条1項が適用され、労働者の何らかの同意が必要だと解かされています。問題は、この「同意」の解釈です。判例の主流は、個々の出向ごとの労働者の具体的な同意までは必要ないが、最低限、労働契約や就業規則などの根拠は必要であるとしています。また、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」の報告書においても、「少なくとも、個別の合意、就業規則又は労働協約に基づくことが必要であることを法律で明らかにすることが適当である」と述べられています。さらに報告書では、出向の可能性があることを、労働条件の明示事項(労基法15条)や就業規則の記載事項(労基法89条)の中にも明記すべきだと提言しています。出向は、労働者の職業生活に大きな変化をもたらす可能性のある制度ですから、このような立法は必要不可欠だと考えます。

 つぎに、出向時の法律関係に関してですが、出向労働者・出向元・出向先の三者間で、権利義務関係がきちんと詰められていれば、もちろんそれによります。ところが、現実には、必ずしもそうなっていないことが少なくありません。そこで、紛争の未然防止の観点から、何らかの任意規定を設けることが必要になってきます。「研究会」報告書では、「出向労働者と出向元との間の別段の合意がない限り、出向期間中の賃金は、出向を命じる直前の賃金水準をもって、出向元及び出向先が連帯して当該出向労働者に支払う義務を負うとの任意規定を設けることが適当である」と述べられています。一見すると、使用者側に過度の負担を与えかねない規定ですが、「賃金に関しては、事前にきちんと詰めていくべし」とのメッセージと見れば、合理性が認められるのではないでしょうか。

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