| 今回は、労使間の「争点」の一つとなっている「解雇の金銭解決制度」について、考えてみることにします。
皆さんご存知のように、解雇に関する紛争は、訴訟に発展することも多く、そうなると長期化・泥沼化の様相を呈してきます。そのため、「たとえ解雇が無効であったとしても、使用者が労働者に一定の金銭を支払うことにより、原職復帰を伴わない柔軟な解決を認めよう」という考え方が有力になりつつあります。
労働者にとっても、「解雇は不当であり、容認し難いが、今さら従前の職場で働きたいとは思わない。解決金で、紛争を解決したい。」というニーズは十分にあると思われます。したがって、労働者側からの金銭解決の申立てについて法制化することに関しては、大きな異論はないでしょう。
問題は、使用者側から金銭解決の申立てがあった場合に、それを容認することができるか、という点です。この点に関しては、現実的な解決手段として、これを認めるメリットがあるという考えもあります。しかし、「労働者の就労は、単に金銭を獲得するための手段ではない。その職場での就労そのものに大きな意義を見出している場合もあるはずだ」と考えれば、これを容認するのは、困難と言えるでしょう。いずれにしても、このテーマに関しては、今後の慎重な検討が必要です。
私としては、紛争の合理的な解決手段として、使用者側からの申し立てによる金銭解決も容認する余地があるのではないかと考えます。ただし、あくまでも例外的な解決方法と位置付け、これが容認される要件や金額に関する基準を法律で明記する必要があるのではないでしょうか。
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