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 vol16. 「労働契約法」についてA

 去る9月15日、厚生労働省は、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」報告書を発表しました。この報告書は、4月に発表された「中間取りまとめ」をベースに、国民から寄せられた意見も参考にしながら「研究会」で更なる検討を行い、最終報告としてまとめられたものです。厚生労働省としては、今後、労働政策審議会労働条件分科会で労使を含めた検討を行い、2007年の通常国会に法案を提出したいと考えているようです。

 今回の報告書によると、労働契約法は、「労働契約に関する民法の特別法」と位置付けられており、労働基準法のような罰則による履行の確保は、想定されていません。また、履行に係る行政の関与についても、原則として個別労働紛争解決制度の範囲内(都道府県労働局長が紛争当事者から援助を求められた場合に行う助言・指導)にとどめ、それを超えた指導監督は行わないことが適当と考えています。

 以下、報告書の中から、社労士実務との関連で問題となるテーマをいくつかピックアップして紹介し、コメントを加えていくことにします。今回は、総論的なテーマとして、「労働者の範囲」の問題を取り上げます。

 ここでの最大の論点は、「労働基準法上の労働者以外の者であっても、一定の場合には労働契約法の対象に含めて、保護を図るべきではないか」という点です。これに関し報告書は、近年、雇用と自営の中間的な働き方(SOHO、テレワーク、在宅就業など)が増加していることに注目し、「労働基準法上の労働者として必要とされる使用従属性まではなくとも、請負契約、委任契約等に基づき役務を提供してその対償として報酬を得ており、特定の者に経済的に従属している者については、相手方との間に情報の質及び量の格差や交渉力の格差が存在することから、労働契約法制の対象とし、一定の保護を図ることが考えられる」と述べています。これは、労働法規の適用を免れるための安易な外注化に対する警鐘として受け取ることもでき、重みのある提言だと考えます。

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