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 vol15. 「労働契約法」について@

これまで、個別労働関係法の中心法規は、言うまでもなく「労働基準法」でした。労働基準法は、賃金や労働時間などの労働条件の最低基準を規律する法律として、労働基準監督行政と一体となって機能してきました。ところが近年では、人事異動に関する問題や労働条件の不利益変更に関する問題など、労働基準法制の枠の中では解決できないトラブルが急増しつつあります。

このような流れを受け、厚生労働省は、昨年の4月に学識経験者からなる「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」を発足させ、新たな立法に向けて動き始めています。

今年の4月には、「研究会」の「中間取りまとめ」が公表され、労働契約法の方向性が示されました。この秋には、「最終報告」が出され、その後、具体的な立法作業が始まるものと思われます。「労働基準法」と並び立つ基本的な労働法規が出現するのですから、社会保険労務士にとっては無関心でおられません。

この新法のイメージを一言で表すと、「判例法理の条文化」ということができるのではないでしょうか。労働基準法などでは解決できない個別労働関係に関するトラブルは、最終的には民事訴訟の形で争われ、裁判所が裁判を通じて形成する判例が紛争解決基準として機能してきました。判例の立法化という点では、前回の労働基準法改正の目玉であった、「解雇ルールの法制化」が頭に浮かびます。判例によって確立していた解雇権濫用法理を条文化したわけですが、これはまさに、労働契約法の先取りともいうべき立法であり、「労働基準法」の中に入れたのは、「労働契約法」ができるまでの暫定的な措置と見るべきです(「中間取りまとめ」においても、この点を意識した記述があります)。

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