| 今回は、このテーマの最終回です。
既に述べた通り、社労士の代理権の範囲は、法改正の都度、拡大の一途をたどっています。また、質的にも「事務」代理から始まって「紛争解決手続」代理に至るまで、高度化が進んでいます。ただ、社労士業界の現状においては、代理権を積極活用した業務展開を行っている方は、まだまだ少数派といえるでしょう。その理由としては、以下の2点が考えられます。
まず、代理権がらみの業務は、民法等の民事法に関する基礎知識がベースにないと十分な成果を上げることができないと思われますが、多くの社労士はこの点が弱いということです。つぎに、「事業主」対「労働者」、「事業主」対「行政」といった利害対立の渦中に入っていくことが避けられないのが、代理権関連業務の一つの特色といえます。ところが、従来の社労士は「協調」的なスタンスが強く、一方当事者の立場に立った「権利主張」は決して得意とは思えないということです。
上記の2点が克服されない限り、権限が拡大されても、それは所詮、絵に画いた餅になってしまいます。代理権を活用することができる「新しい社労士像」が拡がりを見せるためには、社労士各自のさらなる研鑽と意識改革が不可欠です。業界全体の底上げがあって初めて、次のステップ、たとえば労働審判制度(2006年度からスタート)における代理権獲得に進めるのではないでしょうか。
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