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 vol13. 社労士の代理権B

  「紛争解決手続代理」の制度化を柱とする社会保険労務士法改正法案が、6月10日、衆議院本会議で可決され、成立しました。今後は、この法改正によって獲得した代理権を行使するための前提となる、いわゆる能力担保措置がどうなるのかが、大きな焦点です。

 これに関しては、4月20日付で「能力担保措置検討会」の中間報告が出ています(月刊社会保険労務士6月号に掲載)。それによると、「研修」の主体は、全国社会保険労務士会連合会で、@中央発信型の講義、A地域集合型のゼミナール、B各地域での少人数によるグループ研修を組み合わせて実施することが考えられています。内容的には、@社会保険労務士の権限・倫理、A基礎的な法的知識、B個別労働関係に関する専門的な法的知識・能力、C紛争解決手続に関する知識・能力に関する事項が予定されています。

 この新たな「研修」は、かつて行われた「司法研修」の反省をふまえて組み立てられているな、というのが、私の率直な感想です。私は、「司法研修」の第1ステージ、第2ステージをすでに受講していますが、第1ステージについては、「民法などを学習したことのない人のためのアリバイ作り」、第2ステージについては、「弁護士に頼った結果、要件事実論にとらわれすぎ」で、いずれもADRを見据えた研修としては中途半端な印象を受けました。

 能力担保というからには、労働法を民事法的な観点から丁寧に学習し、それによって習得した知識・考え方を具体的な事案に当てはめるということが先決です。過去の「司法研修」においては、いわば「入口」と「出口」のみが示され、その途中のプロセスが軽視されていた感がありました。今回の報告で示されている研修案では、「労働契約・労働条件」についての学習が正面から取り上げられるとともに、個別労働紛争に関するケースメソッドが重視されるなど、それ相応の配慮が加えられています。このねらいに沿った研修の早期実現が望まれます。

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