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 vol12. 社労士の代理権A

 今回は、現在、国会で審議中の社会保険労務士法改正法案に含まれる社労士の代理権の拡大について、その概要を述べることにします。

改正法案では、前回取り上げた紛争解決委員会における「あっせん代理」に加え、(1)男女雇用機会均等法14条1項による調停の手続、(2)都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争に関するあっせんの手続、(3)個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続(厚生労働大臣が指定するものが行うもの)に関して、新たに社労士の代理業務が認められ、これらを総称して「紛争解決手続代理業務」と呼んでいます。また、代理業務の中身に着目すると、手続自体に関する代理のみならず、和解の交渉や和解契約の締結に関しても代理することが認められています。つまり、今回の法改正による代理権の拡大は、量的拡大・質的拡大の双方を含むものであり、「法律家としての社労士」が、クローズアップされています。

このような代理権の拡大に対応するためには、社労士の能力担保が不可欠です。そのため、改正法案では新たに「紛争解決手続代理業務試験」という国家試験を新設し、この試験に合格した「特定社会保険労務士」に限り、紛争解決手続代理業務を行うことができる旨を定めています。そして、この試験の受験資格としては、「紛争解決手続業務を行うのに必要な学識及び実務能力に関する研修であって、厚生労働省令で定めるものを修了」することが要求されています。この能力担保のための研修をどうするかについては、「社会保険労務士裁判外紛争解決手続代理業務能力担保措置検討委員会」において検討中ですが、従来の「司法研修」の位置付けなど、検討課題が多いと考えます。

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