| 今回は、現行の社労士法人制度の問題点について、考えてみることにします。 前にも少し述べましたが、現行の社労士法人制度では、法人としてのスケールメリット(特に全国的な事業展開)を十分に発揮することが困難であり、これが最大の問題点だと考えられます。 @法人が複数の事務所を設置する場合には、どの事務所にも「社員」を常駐させなければなりません。この社員は、社会保険労務士であることが要求されているのはもちろん、法人債務につき連帯無限責任を負担するというリスクを伴うことから、実際上、適任者を見つけるまでには時間がかかります。事務所の全国展開は、容易ではありません。 A法人の社員は、事務所を管轄する都道府県社労士会の「個人会員」として、開業者に準じた会費の納入義務を負っています。それに加え、法人自体も「法人会員」として、会費の納入義務を負います(会費の額は、法人の社員数に応じて決められています)。この法人会員としての会費の納入は、法人の事務所単位で行われます。つまり、法人が複数の事務所を設置している場合は、事務所ごとに法人会員としての会費を納入するというしくみをとっているのです。法人格としては一つであるのに、これは奇妙だと思われませんか。 以上の2点から見ても、現行の社労士法人制度は、大規模な事業展開に対しては消極的に機能していると言わざるをえません。社労士法人制度の創設を推進した「連合会」の本音は、「社労士法人は『士』業の枠内にとどめ、当面は既存の事務所の法人化を促す」という辺りにあるのではないでしょうか。 ▲ページのTopへ |