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 vol1. 労災民営化について@

 総合規制改革会議の「労災保険民営化・民間開放」の答申に対して各種の労働団体、厚生労働省が反対の立場で運動を展開している。なぜ、民営化を推進したいかといえば、労災保険は黒字であること、未加入者が増大していること、保険料率が不透明なこと等である。その方法は、自動車損害賠償責任保険と同様に損保会社への全面委託が事業移管で行うというものだ。                                                 
 そもそも労働者災害補償保険は、罰則をもって強制される労働基準法上の「労働者の業務上負傷、疾病に対する使用者の無過失賠償責任」を実効あるものにするために創設されたものである。自賠責保険と同等に論じるには無理がある。恐らく答申による自賠責保険と同様にというのは、加入を義務付けるといった意味だけをとったものと思われる。自賠責の場合、自動車の車検制度とあいまって車検の際に加入を強制できる。保険料も一律で簡単であるが、労災保険はそうはいかない。まず、加入時期がまちまちである自賠責にたいして保険年度で加入期間が一律であるから、年度更新の際に民間に事務負担ができるのであろうか。また、保険料が賃金総額に関わるので、保険料の計算を誰がするのであろうか。労働保険料は自主申告自主納付が原則となっているが、その後の算定調査があるということが抑止力となって、正直に申告しているのが現状であるが誰がこの調査を行うのであろうか。保険料の徴収方法、算定方法から見ても少々難ありである。
 損保会社は現在でも労災の上乗せ保険というのを発売している。労災では、特別給付金をつけても100%の賃金補償はできない。そこで100%になるよう上乗せしようというのである。しかし、労災から給付を受けられる場合という条件がついている、つまり、労災か否かの判断は労働基準監督署の決定に委ねられている。民営化となれば損保会社によって判断が違う恐れも出てくるかもしれない。

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